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近代建築史8(コルビュジエ、未来派、ロシア構成主義) [建築の歴史]

「建築史は、スクール・オブ・ロックみたいなもの。悪い事おしえている。」

モダニズムの平面(2)

今日やることも先週に引き続きます。
いろんな建築家や芸術運動が「あたらしい建築の基準(お金)はコレだ!と、モダニズムの覇権争いをしている1900年代前半です。近代建築の3大巨匠(ミース、コルビュジエ、フランク・ロイド・ライト)とよばれるコルビュジエはモダニズムの基準作りにかなり成功した人ではないか。1万円札に顔が乗るならコルビュジエだと思う。


1 コルビュジエ(ビートルズ)について
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ル・コルビュジエという名前は実はペンネームで、本名はシャルル=エドゥアール・ジャンヌレ=グリ(Charles-Edouard Jeanneret-Gris)だそうです。シャルル。

「コルビュジエは全般的に天才だったわけですが、彼のやってきたことを振り返ります。彼は社会性も妥当性も芸術性もあった。もともとは画家でもあった。キュビズムの影響をかなり受けている。」

コルビュジエは、
鉄筋コンクリートのドミノシステムを1914年に発表。
雑誌つくる(メディアを作った初めての建築家)。
建築国際会議。
五原則 啓蒙活動など、幅広い活動をしました。

コルビュジェで20世紀の「建築における言語」が出尽くした。

1930年には、低層過密な都市よりも、超高層ビルを建て、周囲に緑地を作ったほうが合理的であるとする「輝く都市計画」案を発表。高層ビルを作って空いた場所で共有できるじゃないかみたいな。集合体のあり方についても考えていた。

ドミノハウス
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本来は復興用住宅として考えられた。
構造は柱とスラブ(床)が担保している。
よって、住民が壁を勝手に作ることができる。

あ、これ俺が壁つくったらどうなるか?と考えたコルビュジエ。
そのときに生まれたのが近代建築の5原則です。

近代建築の5原則。テストに出てきそう(ないけど)

1. ピロティ 
2. 屋上庭園
3. 自由な平面
4. 独立骨組みによる水平連続窓
5. 自由な立面

ピロティとは、2階建て以上の建物で、地上部分(1階)が柱を残して外部空間と化した建築形式のこと。例えるならダックスフンドみたいな感じ。
自由な平面、自由な立面というのは、床と壁が「自由に作れる」ということなのかな。

5原則をすべて網羅したのが、代表作の「サヴォア邸」です。
サヴォア邸
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ドミノシステムを車に展開している。
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スロープと螺旋階段 = 直線と曲線のコントラスト。→これこそキュビズム。

スロープ ゆっくりすすむ
螺旋階段 はやい

時間空間の違う装置であるスロープと螺旋階段を隣に配置する。
これこそがコルビュジエで、違うシーケンス、異なる言語をバシッと合わせた。
車と飛行機と人間の時間を統合。ここが凄い。これはミースにはできなかった。ちなみにミースは時間を止める。

5原則を適用した集合住宅がマルセイユの「ユニテ・ダビタシオン」です。
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船の部屋の構造をマネして考えた。
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メゾネット(1つの住宅の内部に内階段が設置され、2層(以上)を立体的に使用すること)であり、
ギリシャ建築から展開したモデュロール(コルビュジエが作った人体の寸法と黄金比から作った建造物の基準寸法)を適用してる。


その後 1955 ロンシャンの礼拝堂 
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印象派っぽくなる
大学三年で初海外旅行にいった中谷先生 ロンシャン まじ感動した 
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うすーうすーく、という流れを逆転させた。壁厚1mほど。

1960 ラトゥーレット修道院
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世界をいかにして調律するかという思想があった。
独特なランダムに縦割りされた窓わりとか。

その背景にある、キュビズム(いろいろな角度から見た物の形を一つの画面に収めるやつ)
西洋絵画は、ルネサンスに発明された一点透視の呪縛から逃れようとしていた。
ピカソ、ジョルジュ・ブラックなど。
464px-JuanGris.Portrait_of_Picasso.jpg
コルビュジエは新しいモダニズムの平面の正統派です。
音楽で言えばビートルズです。
しかし世界にはビートルズ以外の音楽もあります。


2 未来派(=デスメタル?)イタリア系

未来派(Futurismo、Futurism, )とは、過去の芸術の徹底破壊と、機械化した近代社会のスピードを称えるもの。イタリア・ファシズムに受け入れられ、戦争を「世の中を衛生的にする唯一の方法」として賛美したり、女性差別などがあったり。アバンギャルド。
未来派宣言の中で、詩人のマリネッティは「われわれは、世界の唯一の健康法である戦争、軍国主義、愛国主義、無政府主義者の破壊的な行動、命を犠牲にできる美しい理想、そして女性蔑視に栄光を与えたい。」と言ってます(汗)

建築家のアントニオ_サンテリアは「新都市」と題された、工業・機械化された未来の都市が描かれた16枚のドローイングを発表する。
20100108143039-1.jpg高層ビルや発電所が中心に描かれる。「けっこういい線いってる」とレーニン先生。
「新都市」については鵜沢隆さんが註釈をつけた原寸カラーの本が売ってるけど、55000円します。なんかかっこいいんですよね。



3 ロシア構成主義 (音楽でいえば、何だ?ピエール瀧?w)

ロシア革命を背景とした新芸術運動
産業や労働と結びついた新しい芸術のありかた。
ロシア構成主義は、幾何学的で、立体的で、とにかく新しい。びっくりするくらい新しいのである。

ロシア構成主義と聞いて、ソ連のSF映画「不思議惑星キン・ザ・ザ」を思い出した。
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この映画ほど衝撃的なものはなかった。

タトリン、第三インターナショナル塔案の映像をみる。
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タトリンのこの案は実際には建設されることはなかったが、
この高さ400mの、斜めに渦巻いた螺旋のタワーにはなんだか恐ろしい宇宙的なエネルギーを感じる。

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リシツキー 「レーニン演壇」について説明するレーニン先生。It's a リカージョン。


さらっとフラーも。

4 バックミンスター・フラー
フラーは、石山修武先生もNOSIGNER氏も好きなので僕も今勉強中なので詳しくは後日書くが、地球は有限だということを初めて言った人。これこそが彼の最大の功績ではないだろうか。

ダイマキシオンという、最小の努力で最大の効果をえられる構造。
フラーは近視であんまり目が見えないらしく、ぼーっとしてた(笑)などなど

次から日本建築行きます

画像 wikipedia .org 、三松幸雄 記録 より。


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