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Karl Heinrich Marx(1) [修論へむけて]


若者よ、マルクスを読もう (20歳代の模索と情熱)

若者よ、マルクスを読もう (20歳代の模索と情熱)

  • 作者: 内田 樹
  • 出版社/メーカー: かもがわ出版
  • 発売日: 2010/06/18
  • メディア: 単行本



史的唯物論のことが気になって手に取ったが、つまみ食い本なので結局「史的唯物論」のことは分からなかった。渡辺保忠先生の歴史観はマルクス主義思想の強い影響を受けているとかなんとか

以下、石川康宏さんの引用
「...史的唯物論が「唯物論」的であるということは、それが、人間社会の歴史的な変化の原動力を、「神」や「自我」といった社会の外に立つ何らかの精神に求めるのでなく、あくまでも社会そのものの内部に探究していくということです。生物の進化や宇宙の進化を「神」の意志から説明するのではなく、事柄そのものから説明することが今日の自然科学のあたりまえの姿であるのと同じように、人間社会の進化もまたその事柄自体から説明しようとするのが、史的唯物論の立場です。」(本書,p.171)


プロレタリアートの労働についての文章は今もリアリティを感じるところがあった。当時のイギリスの労働者階級と今の日本では全然その度合いは違うのではあるが。それでも。

以下、マルクスのテキスト

労働者はみずからの生命を対象に注ぎ込む。しかし、対象に注ぎ込まれた生命はもはや彼のものではなく、対象のものである。......彼の労働の生産物であるものは、彼ではない。したがって、この生産物が大きくなればなるほど、労働者自身はそれだけ乏しくなっていく。労働者がみずからの生産物において外化するということは、彼の労働がひとつの対象に、ひとつの外的な現実存在になるというだけではなく、彼の労働が彼の外に、彼から独立した疎遠なかたちで存在し、彼に対して自立した力になり、彼が対象に付与した生命が彼にたいして敵対的かつ疎遠に対立するという意味をもつのである」(「経済学・哲学草稿」『マルクス・コレクションⅦ』今村仁司訳,筑摩書房,345p)


以下、その他マルクスのかっこいいテキスト。最後がとくによい
「共産主義者は、これまでの一切の社会秩序を強力的に顛覆することによってのみ自己の目的が達成されることを公然と宣言する。支配階級をして、共産主義革命のまえに戦慄せしめよ。プロレテリアは、革命において鉄鎖のほか失うべきものをももたない。かれらは世界を獲得しなければならない。 万国のプロレタリアよ団結せよ!」 (大内平衛・向坂逸郎訳『共産党宣言』岩波文庫,1951,87p)

「政治的解放は、たしかに、一大進歩である。それはなるほど人間的解放一般の最後の形式ではないが、しかし従来の世界秩序の内部における人間的解放の最後の形式である。」 (『全集』第一巻,393-394p)

「理論もそれが大衆をつかむやいなや物質的な力となる。理論が大衆をつかみうるようになるのは、それが人に訴えるように論証を行ときであり、理論が人に訴えるように論証するようになるのは、それがラディカルになるときである。ラディカルであるとは、ものごとを根本からつかむことである。」 (同前、422p)

「かれらがなんであるかは、かれらの生産と、すなわちかれらがなにを生産し、またいかに生産するかということと一致する」 (花崎皋平訳『新版ドイツ・イデオロギー』,合同出版,1966,31p)


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